部門のご案内 放射線室
放射線室は、レントゲン撮影、CT検査、MRI検査、マンモグラフィ、口腔領域撮影、骨密度検査等の放射線検査を1か所にまとめ、検査を受けていただきやすく設計しました。
また、血管撮影は心臓も含め、手術室の清潔な空間で、健康の利便に応じた検査を行っていきます。
放射線治療は回転強度変調照射(VMAT)が可能となり、放射線治療専門医師と共に、より短時間高精度の治療を行います。
患者さんの医療被ばく低減を目指し、機器装置を含め安全・適切な検査と治療を、日々の業務目標として取り組んでまいります。
業務内容
- 一般撮影検査
– 口腔領域撮影
– 骨塩定量測定検査
– マンモグラフィ
– 透視撮影 - CT(Computed Tomography) 検査
- MRI(Magnetic Resonance Imaging) 検査
- RI(Radioisotope) 検査
- 血管造影
- 放射線治療
- 放射線安全管理
一般撮影検査
この検査では胸部や腹部の撮影、および骨などの撮影を行います。
また、造影剤を用いた尿路系の検査(DIP:点滴静注尿路造影)を行うのもこちらの撮影室です。
検査をお受けになる方へ
一般にX線撮影では、撮影を行う部位の金属や湿布、プラスチック等を取り外していただきます。これは、画像上に余計なものが写ることによる誤診を防ぐ為で、より正確な撮影を行う為に必要ですのでご協力をお願いします。
撮影する部位によっては、検査着で検査を行いますのでご了承下さい。
口腔領域撮影
オルソパントモグラフィ、デンタル撮影をここで行います。
2019年1月より歯科用コーンビームCT装置が導入され、低被ばくで高解像度画像を提供しています。
オルソパントモグラフィの レントゲン写真 |
歯科用CTのレントゲン写真 |
骨塩定量測定検査
骨塩定量とは、骨の中の骨塩量(カルシウム、ミネラル成分の量)を測定し、骨粗鬆症、加齢による骨の変化を調べる検査です。
この結果を参考にして骨粗鬆症の予防と治療を進めていきます。
当院では2種類のX線を使ったデキサ法で、腰椎と大腿骨頚部(股関節)を測定します。使用するX線の量は非常に少ないので安心してお受け下さい。
マンモグラフィ
当院は日本乳がん検診精度管理中央機構(旧 マンモグラフィ検診精度管理中央委員会)の定める被ばくの線量や画質の基準を満たす、マンモグラフィ検診施設として認定されています。
また撮影は検診マンモグラフィ撮影認定技師が担当しています。
検査は、なるべく乳房を均等に圧迫して行います。人によって多少の痛みを伴う場合もありますが、より確かな診断の為、ご理解とご協力をお願いします。
透視撮影
胃透視、注腸透視などバリウムを使って、消化管の検査を行う部屋です。X線で透視しながら検査を行います。また、この部屋では内視鏡を使った気管支や胆道の検査、治療なども行っています。
現在、2台のデジタル透視装置で検査・治療を行っています。デジタル装置になったことで、より高画質でX線被ばくの少ない検査が提供できるようになりました。
CT(Computed Tomography) 検査
X線とコンピュータを用いて、身体の断層画像を作り、内部を観察する検査です。CT検査室では一般的な診断の為の撮影のほか、立体的に画像を作成する3D-CT、造影剤を使用して血管腔の抽出を行う血管3D-CTなどの検査も行い手術前の検討等にも使用されています。
現在、2台のマルチスライスCT装置(64列・80列)を配備し、待ち時間の短縮や緊急検査の対応と共に症例に特化した撮影を行っています。また両装置には被ばく量を少なく撮影できる機能が搭載されているのでより安心して検査を受けていただけます。
検査をお受けになる方へ
造影剤を使用したより詳しい検査をする場合は20分程度の時間が掛かりますが、通常の単純検査は数分から10分程度と身体的な負担が少ない検査です。
造影検査の場合、より安全に行うため同意書の取得をお願いしております。また、検査で使用した造影剤は尿として排泄されます。排泄を促進させるため、水分(お茶、水等)を多めにおとりください。なお、水分を制限されている方はお知らせください。
MRI(Magnetic Resonance Imaging) 検査
強力な磁場の中に身体を入れ検査を行います。この検査はX線(放射線)の被ばくがなく、身体をあらゆる断面で観察することができます。
また造影剤を使用することなく、血管の画像を得る事ができ、人間ドック(脳ドック)の検査にも使用されます。
以前の装置と比べて、トンネルの直径が60cmから70cmと広くなり、奥行きも145cmと短くなったため、検査時の圧迫感が和らぎました。
検査をお受けになる方へ
検査時間は、15~40分かかります。検査中、工事現場のような大きな音がします。
MRI検査は放射線による被ばくはありませんが、強力な磁場の中に入り検査を行なうため、さまざまな制約を受けることになります。
次のような方は検査を受けることが出来ない場合がありますので、必ず担当医に申し出てください。
- 心臓ペースメーカーや人工内耳等の電子医療機器を装着してみえる方
- 手術等で体内に金属(動脈瘤クリップ・人工関節等)がある方
- 閉所に恐怖を感じ、我慢できない方
RI(Radioisotope) 検査
核医学検査は微量の放射線物質を含む薬(放射性医薬品)を静脈注射または飲用し、特定の臓器や組織に取り込まれた放射線を画像化することにより、臓器の形や機能を検査します。
頭の血流分布から認知症の診断や全身における骨の検査等、色々な検査に用いられます。
2019年1月より新しく導入されましたSPECT-CTは、従来の装置にCTを融合させた装置で、集積された場所の特定等アイソトープ検査の診断精度の向上がなされております。
検査をお受けになる方へ
放射線を出す薬をからだの中に入れるというと、なんとなく恐く感じるかもしれませんが、検査に使われる薬はごく微量で影響の少ないものが使われており、検査を受けて放射線による副作用が出ることはありませんのでご安心ください。
ほとんどの放射性医薬品を検査前日に注文し検査当日の朝に製薬会社から届きます。保存が効きませんので、キャンセルの場合には前日までにお願いしております。
血管造影
血管造影室ではカテーテルを用いて動脈や静脈に造影剤を注入し、X線を用いて血管を描出し、治療、検査を行います。
当院では主に心臓、腹部、四肢(腕や足)の検査や治療を行っています。
腹部の血管造影では、血管を描出する検査だけでなく、血管内に直接治療薬を注入したり、悪性腫瘍への血管に対して薬を使って塞栓したり、血管内に専用のコイルを置き、血管を詰めたりという治療を行います。
心臓の血管造影では、カテーテルを用いて主に冠動脈(心臓を栄養する血管)を描出する検査を行なったり、血管の細くなっている部分をカテーテルの先端に付いた風船(バルーン)で拡張したり、ステントを留置することで血管を拡張・形成するなど様々な治療があります。
四肢の血管造影では、カテーテルを用いて血管を造影することで、血管の細くなった場所を特定し、血管の状態に応じてカテーテルの先端に付いた風船を使って拡張し治療を行います。
放射線治療
病変部に高エネルギーの放射線を当てて、病気を治療します。バリアン社製の装置が導入されており、6,8,10MVのX線、6,9,12,15,18MeVの電子線を使って治療を行なっています。
当院では、リニアック装置と同メーカーの治療計画装置を用いることにより、治療計画から実際の治療までをスムーズに行うことを目指してきました。また、位置照合装置には、赤外線カメラによるナビゲーションシステムとkVのX線撮像システム、体表面を赤色半導体レーザーで走査することにより計画時の体表位置と合わせていくシステムなどを採用しており、より精度の高い位置合わせを可能にしました。当院では、これらの装置を用いて、通常の照射から、IMRT、定位照射などの特殊な照射まで行っています。診察から照射までを、放射線治療専門医、診療放射線技師、看護師が協力して患者さんの治療にあたっています。