診療科のご案内 整形外科

当科の概要・特色

整形外科は骨・関節や筋肉・腱、神経からなる「運動器」の機能的改善を重要視して治療する診療科で、身体の土台である脊椎と骨盤そして四肢の疾患や外傷を主な治療対象としています。
保存治療として薬物療法や装具療法、注射、リハビリテーションなどを行いますが、保存治療では改善できない障害に対しては手術治療が必要となります。

診察内容と対象疾患

手外科・マイクロサージャリー

手は身体のなかでもっとも精密な構造を有する運動器官であり、日常生活でいつも使うため外傷を受ける機会が多いですが、その治療には専門的な知識や技術が必要となることが少なくありません。主に肘から先の疾患や外傷を扱う『手外科』では、骨折や脱臼、腱や靱帯の断裂などの外傷、腱鞘炎やテニス肘などの腱の障害、ヘバーデン結節や母指CM関節症などの変形性関節症、手根管症候群や肘部管症候群などの末梢神経障害、先天性の障害や関節リウマチによる手指変形などの診療を行います。
また手術用顕微鏡を使用したマイクロサージャリーの技術を用いて、切断肢指の再接着術、四肢の骨や皮膚の再建手術、断裂した神経の修復や再建手術なども行っています。

関節外科

上肢では肩関節・肘関節・手関節・手、下肢では股関節・膝関節・足関節・足の変形性関節症に対する保存治療、手術治療を行っています。手術治療としては、関節鏡視下手術、関節温存手術、人工関節置換術を中心に行っています。
当院では人工関節置換術において3Dシミュレーション・コンピューター・システムを導入して綿密な術前計画を行い、またポータブルナビゲーションを使用して人工関節の設置精度を向上することで安全で正確な手術が可能となっています。股関節・膝関節では低侵襲手術を行うことで、手術翌日からの積極的なリハビリテーションを開始し、約3週間で身の回りの動作が自立して退院可能です。肩関節では腱板断裂に対する関節鏡視下での修復術や反復性肩関節脱臼に対する関節鏡視下手術のほか、修復困難で機能改善が困難な場合には、近年国内でも使用可能となったリバース型人工関節手術も行っています。

ポータブルナビゲーション

人工股関節置換術後 術前3Dシミュレーション
(人工股関節)
変形性膝関節症 人工膝関節置換術後 術前3Dシミュレーション
(人工膝関節)
人工膝関節単顆置換術後
変形性肩関節症 リバース型人工肩関節置換術 術前3Dシミュレーション
(人工肩関節)

関節リウマチ

明らかな原因は不明ですが、免疫系に異常を生じて、自分の組織を自分のものではないと判断して攻撃してしまう自己免疫性疾患で、手指を中心に多くの関節に炎症を生じる病気です。
治療のゴールは長期にわたって生活の質(QOL)をよい状態に保つことであり、近年、抗リウマチ薬や生物学的製剤など薬物療法の進歩により、早期に診断して治療を行うことで寛解(症状のない状態)を達成できることもあります。すでに変形してしまった手指や下肢の変形に対しては手術治療を行うことで、機能と整容の両面で改善することが可能です。

脊椎外科

首(頸椎)、背中(胸椎)、腰(腰椎)からなる脊椎の疾患を診療します。
頚部痛や腰背部痛、四肢のしびれや運動障害などの症状を有する患者さまでは、頚椎椎間板ヘルニアや頚髄症、変形性脊椎症、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などの脊椎疾患が原因となっていることがあります。単純X線検査、CT検査、MRI検査などの精密検査を必要に応じて行い、治療方法を検討します。また高齢者の患者さまによくみられる脊椎疾患である、骨粗鬆症に伴う脊椎圧迫骨折や化膿性椎間板炎・脊椎炎などの感染症に対しては、ギプス装具やコルセットを使用した積極的な保存治療を行っています。薬物療法や装具療法、ブロック注射、リハビリテーションなどの保存治療でも症状の改善しない場合には、手術治療について相談します。

外傷

四肢や骨盤、脊椎の骨折、関節脱臼、軟部組織損傷(靱帯や腱の断裂など)、切創、挫滅創などの外傷を多く診療しており、緊急手術にも速やかに対応しています。保存治療が困難な場合には手術治療が必要となりますが、早期の社会復帰を希望する患者さまにも手術治療を行っています。
また手術後の早期からリハビリテーションを開始し、他科や他職種とも連携して社会復帰に向けた回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟でのリハビリテーションも行っています。

予防医療

転倒予防教室

年に1~2回、転倒予防教室を開いています。医師による講演(骨粗鬆症や膝の病気など)、看護師による転倒予防の説明、骨密度測定、骨折リスクの評価などを行っています。

リウマチ教室

医師によるリウマチに関する講演と、看護師などによるリウマチ相談を行います。
リウマチケア専門看護師によるリウマチ相談は、毎週木曜日午後に整形外科外来で行っています。整形外科外来にて申込み受付が可能ですのでご利用ください。

年間手術件数

2021 年

主な手術の内訳 件数
手・肘外科 392件
マイクロサージャリー(切断肢指再接着,皮弁など) 65件
肩関節外科(人工関節置換術を含む) 34件
人工股関節置換術(再置換術を含む) 57件
人工膝関節置換術(再置換術を含む) 117件
膝関節外科 25件
足・足関節外科 22件
脊椎外科 3件
大腿骨近位部骨折 100件
骨折(大腿骨近位部骨折を除く) 364件
腫瘍 85件
その他 222件
合計 1486件

医師紹介

原 隆久 〈院長〉

出身大学
昭和58年 山形大学卒
資格
【専門医】日本専門医機構認定整形外科専門医 / 日本整形外科学会認定整形外科専門医/ 日本整形外科学会認定リウマチ医 / 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医 / 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医 / 日本整形外科学会ロコモアドバイスドクター / 日本リハビリテーション医学会認定臨床医/ 日本リウマチ財団リウマチ登録医    【学会役職】日本整形外科学会代議員/ 日本整形外科学会資格認定委員会中部地区委員(平成23年~27年)/ 中部日本整形外科災害外科学会評議員 / 三重大学医学部臨床教授/ 三重県整形外科勤務医会会長
医師写真

里中 東彦 〈部長〉

出身大学
平成11年 三重大学卒
資格
医学博士 / 三重大学医学部臨床教授 / 日本専門医機構認定整形外科専門医 / 日本手外科学会認定手外科専門医・指導医 / 日本リウマチ学会認定リウマチ専門医・指導医 / 日本整形外科学会認定リウマチ医 / 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医 / 中部日本整形外科災害外科学会評議員 / 臨床研修指導医 / 義肢装具等適合判定医師 / ロコモアドバイスドクター / 国際メンターシップ協会認定アソシエートメンター/日本リハビリテーション医学会認定臨床医
医師写真

吉田 格之進 〈副部長〉

出身大学
平成14年 岐阜大学卒
資格
医学博士 / 三重大学医学部臨床教授 / 日本整形外科学会認定整形外科専門医 / 日本人工関節学会認定医 / 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医 / 臨床研修指導医 / ロコモアドバイスドクター / 日本リハビリテーション医学会認定臨床医 / 日本災害医学会MCLSプロバイダー / 日本DMAT隊員
医師写真

塚本 正 〈副部長〉

出身大学
平成22年 三重大学卒
資格
三重大学医学部臨床講師 / 日本整形外科学会認定整形外科専門医 / 臨床研修指導医 / 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
医師写真

浅野 貴裕 〈副部長〉

出身大学
平成23年 三重大学卒
資格
医学博士 / 三重大学医学部臨床講師 / 日本専門医機構認定整形外科専門医 / 日本整形外科学会認定リウマチ医 / 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医 / 国際メンターシップ協会認定アソシエートメンター/日本スポーツ協会公認スポーツドクター / 臨床研修指導医
医師写真

鈴村 諒治 〈医員〉

出身大学
平成31年 愛知医科大学卒
医師写真

高橋 明子 〈非常勤〉

外来診察表

  • 初診もしくは予約券なしで受診される際は、必ず他医療機関からの紹介状をお持ちください。

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