ニュースとお知らせ

呼吸器外科より診療報告(低侵襲手術の取り組みについて)

201911月に呼吸器外科が新設されてまもなく半年となります。地域の皆様のお役に立ちたいと願い日々の診療を行っています。今回は、当科で取り組んでいる低侵襲手術についてご紹介いたします。

かつて肺の手術といえば、背中から腋の下にいたる長いキズで行われていましたが、カメラシステムや手術器具の発達によって次第に縮小可能となり、複数の小さなキズで行う、いわゆる“からだにやさしい”胸腔鏡下手術が肺がん手術においても普及しています。また、最近ではロボット支援下手術と1か所の小切開創から行う単孔式手術との2つの流れで胸腔鏡下手術のさらなる低侵襲化が追い求められつつあります。後者は、従来の胸腔鏡下手術の経験があれば特別な設備や機器を要さず、なにより手術侵襲の加わる肋間が1レベルのため術後の痛みの軽減に有利であろうと考えます。
これに基づき、前任地において三重県下ではじめて単孔式手術導入に携わったのち当院に赴任いたしました。当然、手術は安全・確実であることが第一ですが、これを損なわない範囲で可能な限りキズの縮小・減少化につとめています。
当院でも、内視鏡手術に熟達した外科の先生の多大なご協力のもと、単孔式胸腔鏡下肺切除術を実施し、術後の鎮痛薬使用も少なく早期に退院していただいております。