診療科のご案内 緩和医療科

はじめに

人はそれぞれの人生に自分だけの物語があります。病気になってもその物語は途切れることはありません。
緩和ケアは、病気の陰に隠れてしまいがちな「その人らしさ」を、もう一度見つめ直すところから始まります。
病気の治療中でも、治療を終えた後であっても、辛い症状を和らげるだけでなく、その人の生き方や大切にしてきたことに向き合います。
またご本人だけでなく、一緒に歩まれているご家族の気持ちにも寄り添います。

 人生は始まりがあればいつか等しく終わりを迎えますが、その想いはさまざまです。
家族と共にいる事、慣れ親しんだ風景。思い出を振り返ることや、感謝の想いを伝えること。
何気ない会話や静かな時間が大切な方もみえます。
私たちはその過ごされている時間を「医療の結果」ではなく、「人生の大切な最終章」ととらえて寄り添います。

当院の緩和ケアは、治らない病気があっても自分らしくこの伊勢の地で心豊かに生きて頂くこと、
そして大切な人と想いを伝え合い、人生の物語が最期まで紡がれるよう支え続けます。

緩和医療科  藤崎 宏之

緩和ケアの特徴

<定義(WHO 2002)>

「緩和ケアとは、生命を脅かす病に関連する問題に直面している、患者とその家族に対して早期から痛みやその他の
 身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を的確に評価しそれらが障害とならないよう予防し和らげることによって、
 クオリティ・オブ・ライフ(QOL)向上させるアプローチ。

 

  1. 病気による痛みや息苦しさ(身体的苦痛)、不安や気持ちのつらさ(精神的苦痛)、生活の中での困りごと(社会的苦痛)、
    自分の存在が揺らぐ事からの苦悩(スピリチュアルペイン)などに専門的に対応しながら、
    「自分らしく生きること」を支える医療です。

    緩和ケアを受ける(≒自分らしく生きる)と余命が少しずつ延びると言われています。 Temel, NEJM 2010,363:733
    早くから受けた方が、より延びると言われています。 Bakitas, JCO 2015,33(13)1438

  2. 本人だけではなく、家族の苦悩も対象となります。
  3. 医師や看護師だけでなく、薬剤師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーなど、さまざまな職種がチームとなって
    関わります。
  4. 余命を長くすること、短くすることを意図せず、生活・人生の質を上げることを目的とします(QOLの向上)。
  5. 入院中や外来通院中、在宅医療の中でも提供されます。
  6. 人生会議(アドバンスケアプランニング:ACP)のサポート
    本人の生きる上での価値観に基づいて、今後受ける医療、ケアについての希望や、過ごす場所の選択、自分の想いを誰に理解しておいてもらうか、などを医療者、介護者と共に繰り返し話し合い、記録する事を言います。
    病気の状況も踏まえながら納得のいく選択を重ねて頂けるよう一緒に考えます。

当院の緩和ケア

緩和医療科外来

  • 初診外来/入院相談外来 (1時間程度) :初めて緩和ケアについて話合う外来です。
    担当医(主治医)からの紹介による予約が必要になります。
    症状だけでなく、ご本人・ご家族の思いや考えを伺い、今後の治療や支援の方向性を一緒に考えて整理します。
    よくあるお声としては、
    「今入院中の病院から転院して、緩和ケア専門の病棟に入りたい(家族相談)。」
    「もう有効な治療は無くなったと言われた。これからどうすれば・・」
    「がんの治療は他の病院で、緩和ケアはこの病院で受けられるのか。」「どういったときに入院できるのか。」
    「今の仕事や趣味は諦めなければいけないのか。」
    「とにかく痛みをとって、苦しくないようにして欲しい。」
    「病気が進行しても最期まで家で過ごせるのか。」
    「いろいろ困っているけど、どこに何を頼めばいいのかわからない。」
      など様々な相談に対応します。再診外来で継続して診療したり、緩和ケア病棟の入院を予約して頂いたりします。

  • 再診外来(30分程度):継続的に症状や生活の変化をフォローする外来です。
    症状を緩和しながら、ご本人、ご家族の
    希望や不安を伺ったり、生活のサポートや今後のことを 一緒に考えたりします。必要なタイミングで入院の判断や、
    在宅医療へつないだりもします。
    主治医、他科の外来と並行して行うことができます。

緩和ケア病棟 (PCU:Palliative Care Unit)

在宅医療や外来通院での対応が難しい場合に、症状緩和と安心した療養生活を目的として利用する病棟です。身体の苦痛だけでなく、気持ちのつらさや、ご家族の不安も多職種でサポートします。

利用の目的
①終末期ケアを含めた療養  
②症状緩和 
③レスパイト(介護者に休んで頂くためのショートステイ)

*症状緩和目的、レスパイト目的入院の場合は一般病棟を利用する場合があります。

入院、退院に一定の基準があるため、判断や入院時期を決めるための入院検討会議を行います。

-緩和ケア病棟への入院基準-

・ご本人、ご家族が緩和ケア病棟への入院を希望している
・がんと診断され、ご本人、ご家族が病状を理解している
・がんへの治療を終えているか、治療の適応がない、または希望していない
・がんによる苦痛、苦悩がある
・人生の最終段階である
・危篤となった際には延命治療は行わず、お別れの時間を大切にするという方針を理解している

-退院基準-

・ご本人、ご家族が退院を希望されている
・症状、体調が安定し、入院が長期化している
・がんに対する積極的治療を希望されている
・緩和ケア病棟では行わない治療が必要となった
・他の患者さんの療養に影響を与えるような迷惑行為がある

地域連携

他の医療機関との連携の他に、介護施設などや、在宅療養を支えてくださっている訪問診療医、訪問看護師、
ケアマネジャーなど在宅チームと連携し、希望される場所での療養や、その状況で必要な治療やサポートを
調整します。
入院療養、外来通院や在宅療養を切れ目なくつなぎ、「地域で安心して暮らす」体制を整えます。


その他:以下ご理解ください

  1. 緩和医療科は現在所属医師が一人のため、不在時には他科の医師にサポートをお願いする場合があります。
  2. 入院中、夜間、休日/祝日は、日直医、当直医による対応となる場合があります。
  3. 当院は災害拠点病院として、大規模災害発生時には必要な医療体制を確保する役割を担っています。そのような災害が発生した際には、ご本人への影響を最小限とするよう十分配慮しながら、病室/病棟の移動や、一部治療内容の調整を
    行う場合があります。

緩和ケア病棟のご紹介

緩和医療科のパンフレット

緩和医療科のパンフレットはこちらからダウンロードしていただくか、地域医療連携係にお問い合わせください。

緩和ケア病棟に入院するまで

  1. 主治医に相談、または当院地域医療連携係までお問い合わせください

    緩和医療科 初診外来を予約します。
    緩和ケア病棟 相談窓口:TEL 0596-63-9070(直通) 受付時間:月~金 8:30~17:00

  2. 緩和医療科 初診外来(予約制) 月・木:13:30~16:00

    診察と、考えや想いなどお話を伺います。緩和ケアと病棟の概要をご説明します。
    ご本人が入院中などで来院できない場合にはご家族のみ来院してください(家族相談)。
    入院が見込まれる場合には、入院予約をして頂けます。


    お持ちいただくもの
     ①診療情報提供書(現在かかっている医療機関にご相談ください。)
     ②マイナンバーカード又は資格確認書(健康保険証)
     ※費用は、ご家族のみ来院される場合は相談料の扱いとなります。
    • 入院検討会

      緩和医療科医師、病棟看護師、医療ソーシャルワーカーらが入院の適応を確認し、日程を調整します。

    • 入院日のご案内

      入院候補日を、紹介元の医療機関、患者様にご連絡します。
      ※入院までの期間に体調変化があった場合は、現在の主治医(かかりつけ医)に相談してください。

    主治医の先生へ

    この度はご紹介ありがとうございます。 ご紹介頂く際には、以下のものを可能な範囲で提供をお願いします。
    ①診療情報提供書(診断時期、関連手術の日時と内容、予後予測を含む)
    ②検査データ(血液検査、CT、レントゲンなどの画像、所見等)
    ③生活背景(MSW資料等)
    ④ACP情報(様式は問いません。)
    ⑤緩和ケアチームが介入している場合にはその情報

    費用

    一般病棟と同じように、各種健康保険が適応されます。
    有料個室に入院された場合は、室料の差額をご負担いただきます。

    差額室料 料金(1日につき) 設備等
    4,000円
    (市外居住者)
    3,200円
    (市内居住者)

    トイレ、洗面台、テレビ、冷蔵庫、ソファベッド、Wi-Fi、タブレット貸出し

    医師紹介

    藤崎 宏之 〈部長〉

    出身大学
    平成13年 愛知医科大学卒
    資格
    医学博士 / 日本緩和医療学会専門医・指導医 / 緩和ケア研修会指導者・企画責任者資格 /藤田医科大学 外科・緩和医療学講座 客員教員/ 三重南勢地域緩和ケアネットワーク世話人 / 伊勢赤十字病院緩和ケア内科非常勤/日本臨床倫理学会臨床倫理認定士 / 日本外科学会外科専門医 / 日本消化器外科学会消化器外科専門医 / 消化器がん外科治療認定医 / 日本DMAT隊員 / 日本災害医学会MCLSプロバイダー / 日本救急医学会JPTECプロバイダー / 臨床研修指導医
    医師写真

    外来診察表

    休診・代診情報

    休診・代診の予定はありません。