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平成29年9月29日 
     第72回 ティーンズクラブ・アイリス・伊勢  勉強会記録
H29926日 18時より(出席者 院内3名 院外5名)

お忙しいなか、ご苦労さまでした。
細々ながら、興味のある人たちで、この会を続けています。今回も特別テーマはなかったのです
が、愛知でおこなわれた性教育フォーラムの報告をもとに話をしました。


テーマ

    ① 6月25日 Sさん、Mさんが名古屋までいき、参加してくれました。
                         性教育フォーラム  弁護士 高橋直紹 先生
                        『若者の性と法律~弁護士の視点から見る若者の問題』
質問形式で。
* 未成年は罪にならないの?   14才以上のものには犯罪成立します、その後の手続きがかわります。

* スマホ LINEで上半身の裸の写真をおくる、SEXしてくれないと写真を拡散するとおどす。
        
  性交を強いる行為→強姦罪
          刑法改正→女性の身に適応されていたものが、男性にも適応範囲がひろがる。        

              難しい内容だけど、監護者わいせつ罪、監護者性交等罪の新設、 親告罪の規定の削除
               (申告というのと親告のちがいは、親告は本人が申し立てることです。)
                補足 監護者わいせつ罪が成立します。
                         ①18才未満の者に対して
                         ② その者を現に監護する者が
                         ③監護者としての影響力を利用して
                         ④姦淫、肛門性交、口腔性交以外のわいせつな行為をすること 
                監護者性交等罪は④が上記と違います。④姦淫、肛門性交、口腔性交をすること
                  なお、監護者わいせつの刑罰…懲役か月~10年  監護者性交等の刑罰…懲役年~懲役20
無理やりキス → 強制わいせつ罪(男女問わず)  迷惑条例防止違反(いわゆる痴漢が相当) 
                         (小学生の場合は刑事責任なし 児相送致)
                    強制わいせつ罪  
                       13才以上のに対し,暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をした者
                       6月以上10年以下の懲役
                       
13才未満のに対し,わいせつな行為をした者
                       同様(6月以上10年以下の懲役)   
    
生徒の先生に対するセクハラ 刑法的には矯正わいせつ罪 事案によっては強姦罪 ほかに該当することもあり
                                    刑法犯として成立するのは14才以上 20才未満は少年事件として扱われる。
  上記ほかいろいろ性に関係するものを紹介してくれました。 
  今回の話は今年110年ぶりに刑法が改正されたためです、まだ現状にはそぐわない十分な改正ではなににしろ、おおき
  な進歩なので、この講演がおこなわれたとおもいます。次ページに刑法改正をまとめてくれたものをみつけたので、添付し
  ました、見てみてくださいね。


        
9月24日 名古屋でおこなわれたAIDSフォーラムをSさんがきいてきてくれました。    
 まだ、昨今のことでまとめがおいつかないようでしたので、岩室紳也先生のHPをみてください。200枚におよぶ
 スライドがみれます、おねがいします。エイズ教育は一時ブームのようでしたが、昨今はあまり?という感じです。
 しかし、着実に増えています。しっかりとした教育が必要ですね。


 次回勉強会   H29年11月21日火曜日18時00分より  
            伊勢病院1階 外来食堂 テーマは持ち寄りましょう!


                                           文責  市立伊勢総合病院産婦人科 産婦人科   村松温美


改正理由の趣旨

近年における性犯罪の実情等にかんがみ、事案の実態に即した対処をするためには、強姦罪の構成要件及び法定刑を改めて強制性交等罪とするとともに、監護者わいせつ罪及び監護者性交等罪を新設するなどの処罰規定の整備を行い、併せて、強姦罪等を親告罪とする規定を削除する必要があるとするのが、性犯罪規定を改正する理由とされています。
以下では、まず、改正のポイントを見た上で、上記の改正理由の趣旨に照らし、大きく改正される点についてのみ説明することとします。
改正のポイント
① 被害者を女性に限っていた「強姦罪」、「準強姦罪」から、男性も対象に含める「強制性交等罪」、「準強制性交等罪」に名称を変更します。そして、法定刑の下限を「3年以上の有期懲役」から「5年以上の有期懲役」に引き上げます。
② 懲役4年以上とされていた集団強姦等罪の規定は削除します。
③ 「監護者わいせつ罪」及び「監護者性交等罪」を新設します。
④ 上記①の罪、上記③のうちの「監護者性交等罪」又はこれらの罪の未遂罪を犯し、人を死傷させた場合について、有期懲役については「5年以上」から「6年以上」に引き上げます。
⑤ 
親告罪の規定を削除し、告訴がなくても起訴できるように改めます。改正法の施行前に起きた事件にも原則適用します。
大きく改正される点
① 強制性交等、準強制性交等
㈠ 改正前の刑法の強姦罪(177条)、準強姦罪(178条2項)を強制性交等罪、準強制性交等罪に名称を変更し、被害者の性別は女性のみではなく、男性も含むこととし、従来の「姦淫」を「性交」に改め、これに加えて、「肛門性交又は口腔性交」も併せて「性交等」として、同等に処罰するようにします。また、法定刑も「3年以上の有期懲役」から「5年以上の有期懲役」へ厳罰化します。
㈡ 改正案要綱
㊀ 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等罪とし、5年以上の有期懲役に処するものとすること。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とすること。(177条関係)
㊁ 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、㊀の例によるものとすること。(178条2項関係)
【参考】強制性交等罪とは?強姦罪はどのように改正されたか?わかりやすく解説
② 監護者わいせつ及び監護者性交等
㈠ 改正前の刑法では、強制わいせつ罪でも強姦罪でも、13歳以上の被害者に対する行為の場合には、「暴行又は脅迫」を手段とすることが要件となっています。しかも、この暴行・脅迫は、被害者の反抗を抑圧するまでの必要はないものの、著しく困難にする程度のものであることを要するとするのが、判例・通説とされています。そして、改正前の刑法(性犯罪規定)では、判例・通説にいう暴行・脅迫に至らない場合、また暴行・脅迫を手段としない場合、被害者が心神喪失・抗拒不能にない場合には、いかなる性暴力も処罰の対象とされていません。
しかし、家庭内での性的虐待については、被害者の拒否が難しいと考えられることや、その後の人生に与える影響の深刻さが指摘されていたところから、親などの「監護者」が、支配的な立場を利用して18歳未満の者と性的な行為を行った場合には、暴行・脅迫がなくても処罰することができるものとして、「監護者わいせつ罪」と「監護者性交等罪」を新設します。そして、監護者わいせつ罪は強制わいせつ罪と、監護者性交等罪は強制性交等罪と、それぞれ同等に処罰できるようにします。
㈡ 改正案要綱
㊀ 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、強制わいせつ罪の例によるものとすること。(179条1項関係)
㊁ 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、強制性交等罪の例によるものとすること。(179条2項関係)
㊂ ㊀及び㊁の未遂は、罰するものとすること。(180条関係)
強姦罪等の非親告罪化
㈠ 改正前の刑法では、強制わいせつ及び準強制わいせつの罪、強姦及び準強姦の罪は、被害者の告訴がなければ起訴できませんが、「強制わいせつ及び準強制わいせつの罪」、名称を変更する「強制性交等及び準強制性交等の罪」、そして、新設する「監護者わいせつ及び監護者性交等の罪」については、被害者の精神的負担を減らすため、被害者の告訴がなくても起訴できるように改め、親告罪の規定を削除することにします。
さらに、改正刑法は、公布の日から起算して20日を経過した日から施行されます(附則1条)が、改正刑法の施行前に起きた事件にも原則適用され、告訴なしに起訴できるようになります。
㈡ 改正案要綱
㊀ 180条(親告罪規定)を削るものとすること。
㊁ この法律による改正前の刑法180条の規定により告訴がなければ公訴を提起することができないとされていた罪であって、この法律の施行前に犯したものについては、この法律の施行の際既に法律上告訴がされることがなくなっているものを除き、この法律の施行後は、告訴がなくても公訴を提起することができる。(附則2条2項)

【参考】弁護士が語る!痴漢の様々なケースと逮捕・示談の流れ
5.刑法改正後の課題
⑴ 異物(例えば、性的玩具等)や手指を女性器や肛門に挿入しても、「性交等」には当たらないため、改正法の強制性交等及び準強制性交等の罪にはなりません。強制わいせつ及び準強制わいせつの罪にしかならないのです。
異物や手指の場合でも、被害者が受ける精神的苦痛の大きさは、性交等と何ら変わらないとして、「性交等」と同等に取り扱うべきであるという指摘があり、今後の課題といえます。
⑵ 新設される「監護者わいせつ及び監護者性交等の罪」は、教師と生徒の関係、雇用関係、スポーツの指導者と選手の関係には、適用されません。
新設の規定は、上下関係、権力関係のうち、主体を監護者のみに限定するもので、特に、教師やスポーツ指導者らによる性暴力の実態を踏まえれば、主体の限定は狭すぎるという指摘がなされており、この点も今後の課題といえます。