平成25年５月１4日 ＰＭ6時00分より 講堂
人数 院外 ３人 院内 ４人
今年度初めての勉強会でした。なかなかいろいろな行事でいそがしい時期なのか、出席者はとてもすくなかったです。しかしながら、お互い気になる話題をもちより、短い時間でしたが、有意義な会でした。やはり、自分たちが今できることを、地道に継続していくことが大切なんだとつくづくおもいます。引き続き、皆様のご協力をよろしくおねがいいたします。
テーマ
１）５月１２日名古屋でおこなわれた、河野美代子先生の講演の内容の報告でした。
河野先生はみなさんご存じの著名な広 島の産婦人科医師です。『さらば悲しみの性』ほか思春期の診察をもとにたくさんの本を執筆されておられます。以前、伊勢でも講演におよびしたことがあるようですが。今回は二時間にわたる講演が行われました。先生のところには１０代の受診者がとても多いです（１６％）。 なんと１０代で妊娠する半数の人が人口妊娠中絶率を選択する、しかも相手の男性は社会人が半数以上。１４歳までの中絶率は増加傾向にあるようです。また、１５歳未満で出産する子も決して減少してはいないのが現状だそうです。性感染症も中学生でもやはりあるようです。援助交際、暴力団がらみ、家庭的になんの問題もないような子供にもおきています。いろいろな事例をとおして、大切なことを再認識させてくれました。
１） 体の勉強をしっかりすること！（こどもだから妊娠しないなんて！！）
２） 普段から自分をいとおしむ自己肯定感をたかめる必要性！
３） ここに相談相手がいるよ！という状況を我々がいつもつくっておく必要性！
『男は逃げることができる！女はにげることはできないんだよ！』 先生は時間がいくらあっても話したりないと、情熱ほとばしる講演だったそうです。同じような思いを、私たちが日々それぞれの立場でこどもたちにつたえなければなりませんね。
２）最近話題になってる『子宮頸癌ワクチンって副作用大丈夫なの？』
このニュースを聞き、ワクチンを悩んでる方もたくさんおられるようです。このことをＳ養護教諭の先生が話題提供してくれました。教育現場では本当に困っているとおもいます。 正直、どんなワクチンも副作用はあります。しかし、それでｇｏ！でいいのかは？ 産婦人科学会の立場では、発生頻度、ワクチンの予防効果などの相互判断で、推奨という建前はかわっていません。
１） ＨＰV感染は性行為年齢をおそくすることで妊娠年齢に子宮頸がんに罹患するのを防ぐ。
２） 性行為のはじめから最後までしっかりコンドームを使用する。
３） 子宮頸がん検診をしっかり受ける。
上記を徹底しても、それでも、頸がんになることは完全には防げないけど、減少させることはできると思います。頸がんになっても、検診をしっかりうけていれば多くの場合は手遅れを防ぐことはできます。しかし、出産適齢期の頸がん発生は問題があります。たとえば、その年齢に頸がん初期が見つかるとします。もちろん命はたすかります。妊娠できるようにと手術で子宮の一部を切除すれば大丈夫なんですから。しかし、その手術は妊娠率が下がるのが現状です、そういう問題はのこります。 ワクチンを受けない場合は１）から３）の必要性をしっかり理解する必要があります。はたして中高生のこどもにできるか？それが性教育なのかもしれませんね。 ワクチンは日本ではおそくはじまりました、実際、世界ではもっとたくさんの人がしていますが、ワクチンをしない方向にはなっていません。日本での副作用分析が早急に必要ですね。悩んでいる人は、子どもに話をし、ワクチンを待つのも手かもしれませんね。どんなワクチンも本当に賛否両論、多くの問題があります。また、あらたな情報がでましたら発信したいとおもいます。
次回勉強会
日 時 平成2５年７月９日（火曜日） ＰＭ6時０0分より
場 所 市立伊勢総合病院 2F 講堂
テーマ 現時点では特別決めておりません。検討中です（皆で持ち寄りましょう！）
お知らせ
なんらかの勉強会テーマ提供をして下さる方を歓迎しています。
連絡先 市立伊勢総合病院
産婦人科・女性＆思春期外来
ティーンズクラブ・アイリス・伊勢 代表 村松 はるみ
電話 0596-23-5111 内線 230
文責 市立伊勢総合病院
産婦人科 はるみ