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     第46回ティーンズクラブ・アイリス・伊勢 勉強会記録
                  平成24年10月2日 PM6時00分〜8時00分 講堂
                           人数  院外 18人 院内 6人

今回は、邦楽器演奏家のあみさんに「もう1人の私〜HIV感染者として〜」というテーマで御講演をしていただきました。なかなか簡単に聞けるようなお話ではなく、とても胸にうつものがありました。
 多くの参加者の方が感じたその思いを、これからの日常生活に、教育現場に、医療現場にいかしていってくれることを祈ります。


テーマ 「もう1人の私〜HIV感染者として〜」
 

自分にはHIVなど関係ないとおもっていた。亡くなった37歳の胃癌の友達のことをきっかけに、善意で行った献血で病気がわかったあみさん。とても明るい人でした。病気になったことを今はうらむこともなく、たんたんと受け入れ、娘さんにも話し、一部の世間にもカミングアウト!感染を知ってから6年、いろいろなことがあったと思います。でも、今は信念をしっかり持つ、素敵な大人の女性でした。HIVにかかっても、今は皆死ぬわけではない、薬の発達はめまぐるしい。でも一日3種類数錠、一ヶ月20から30万もかかる治療をうけなくてはいけない。国の援助なしではとうてい生活はしていけない!社会の人がすべてHIVAIDSをうけいれているわけではない。受け入れない人が多い。それを知り、冷静に受け止め、トラブル無きよう生活を続けることの難しさ。自分ひとりならばいざしらず、今は良き理解者である娘さんを自分の事情にまきこまないように自活していく難しさを乗り越え、今がある。これは誰にもある身近な病気なんだと、カミングアウトを決意し、生の声をいろいろなところに届ける。体験者である自分にしか伝えられないことだからと。

*献血は検査目的で受けちゃダメ!
  →HIV抗体のできていない時期に検査して、その検査をすりぬけた血が…ってことも起きるから。
*とても感染力の低いウィルスだけど、菌は人を選ばないんだよ!

*好きな人の菌まで愛せますか?

などなど、いっぱいあみさんの言葉が心に残りました。


 昔、CB型肝炎ウィルスも、感染者と食器は一緒にしないなど、特別視された病でした。今もそのウィルスと一生仲良くしていかなければならない人もたくさんいます。でも、時代がかわり、私たち医療界も世間の人たちも今は肝炎ウィルスを特別視なんてしません。HIVAIDSはなぜ特別視されなくてはならないのでしょうか?肝炎も感染の仕方は同じで、完治しない人もたくさんいます。なのになぜ?それはHIVAIDSが同性愛者や、風俗業界でひろがるような特別な環境でしか感染しないと思っているからでしょうか?HIVAIDSにかかることは、そんなふうな特別な環境を想定され、そういう目で世間の人がその人をみるからでしょうか?今は死なない病なのに、死に直結するから?でも、他の感染症と何の変わりもないんです。感染力はむしろ他のウィルスより低いんです。
 私たちは、もっとこの病気を学び、広め、誰にもなりうる身近な病気であることを認識しなくてはいけない。もっともっと若者にそのことを伝えないと。高校生にあみさんが話をしても、あまりひびかないとか。それは彼らの無関心さがゆえ。もっともっとクラミジアなどと同じように身近なものと受け止められるように、私たち大人がしっかりしなければと思いました。
 正直、話をしているうちに自分にも偏見があるのに気が付きました。それはもし自分が感染者とわかったら、今の社会が自分に対してどう変わるか想像がつくからです。恐いんです。情けない自分に気が付きました。

 私たちがんばれ!信念をもって…HIVAIDSが普通の病気として受け止められる社会になるように!
 正直、今、私、ドキドキしています。私がHIVやAIDSに感染してないなんて、だれも保障できないんですから。

 検査をうけなくてはわからないんですから…
 
次回勉強会

  日 時   平成24年12月11日(火曜日です) 午後6時00分より
  場 所   市立伊勢総合病院 2F 講堂
  テーマ   もろもろ
        (GIDの講演会のその後、などなど)
 
 
お知らせ
 *勉強会でテーマ内容にご希望があれば連絡をください。
  ご希望に沿える限りしたいと思います。


                              文責 市立伊勢総合病院
                                  産婦人科 はるみ